国産紅茶の基本を知ろう!和紅茶とは?

和紅茶という言葉を聞いたことがありませんでしょうか。最近お茶が好きな方たちの間で話題になることも増えてきたお茶の種類の一つです。このページでは和紅茶についてのわかりやすく解説していきます。

和紅茶とは?海外の紅茶との違い

和紅茶とは、日本で製造された国産紅茶のことを指します。世界で有名なダージリン・アッサムの紅茶との違いは、使用される茶葉の種類や製造過程にあります。さらに気候や風土の違いも合わさることで日本特有の紅茶を生産することができています。

アッサム 国産紅茶
原産国 インド(アッサム地方) 日本(主に鹿児島、静岡などの茶産地)
茶葉の種類 アッサム種 日本固有品種や在来種
収穫時期 3~11月 4~9月
製造方法 CTC製法が多い オーソドックス製法が多い

和紅茶を作っているのは?

和紅茶を作っているのは、緑茶の生産もしている茶農家であることが多くあります。紅茶は緑茶より生産工程が少なく、緑茶を製茶するものと同じ機械で製茶することができるので、緑茶の工場で生産されていることも少なくありません。鹿児島や静岡の茶農家だけでなく、京都の茶農家も数は少ないですが紅茶の生産をしています。京都の中でも、南山城村、和束、宇治田原などの地域で作られています。

和紅茶ができるまでの工程

国産の紅茶は海外の紅茶と同じようにオーソドックス製法で作られることが多くあります。製造方法は以下のようになります。

  • 萎凋
  • 揉捻
  • 発酵
  • 乾燥

まずは「萎凋」という工程で茶の芽の水分量を減らします。萎凋槽で芽の水分を均一に抜いていきます。萎凋の工程が終わると「揉捻」で芽を揉み込み茶葉の形状を作ると同時に、芽に傷をつけ酸化発酵を促していきます。「発酵」の工程では酸化発酵をさらに促進させることで。青々しい芽の状態は褐色を帯び、甘い芳香を放ちます。「乾燥」の工程で芽の水分量を5%程度まで乾燥させ、長期保管できるようにしていきます。

このように紅茶は酸化発酵という酸素との結びつきを利用して紅茶を作ります。バナナが酸化して黒くなるのと同じ原理ですが、これを人の采配でコントロールして、適切なタイミングで止めることに酸化と酸化発酵の違いがあります。

同じ酸化発酵させるお茶として烏龍茶などがありますが、工程が全く違うものになりますので、発酵の度合いの違いで紅茶やウーロン茶と呼ぶものではありません。浅い発酵の紅茶もあれば、深い発酵の烏龍茶もあります。

和紅茶のシーズン

国産の紅茶のシーズンはそれぞれの生産地ごとに多少の違いはありますが大まかには同じです。

ファーストフラッシュ

春摘みとも呼ばれる4〜5月あたりにお茶摘みをした一番茶で作る紅茶。カテキン含有量が少なく、発酵を浅く仕上げることで他のシーズンにはない爽やかな香気が生まれやすい。

セカンドフラッシュ

夏摘み6〜7月あたりにお茶摘みをした二番茶で作る紅茶。しっかりとした紫外線を浴びた新芽はカテキンが豊富で、しっかりとした飲み心地があり、華やかな香気が好みの方には夏摘みがオススメ!

オータムナル

秋摘み8〜9月あたりにお茶摘みをした三番茶で作る紅茶。他シーズンに比較すると含有成分が少なくなるので、飲み心地の優しい紅茶が多くあります。

国産紅茶とお茶の品種

お茶にも木ごとに品種が存在します。それぞれ紅茶をシングルオリジンで飲み比べることで品種の違いも楽しむことができます。品種には緑茶品種紅茶品種があります。品種というのは実生選抜や、研究機関による品種と品種の掛け合わせなどで開発されています。紅茶品種はアッサム系との掛け合わせで開発された品種など国産の紅茶を作るために研究されてきたものが多く含まれます。

主な紅茶のグレード

1. 全葉茶 (Whole Leaf Tea)

大きな茶葉を使用し、高級感があり香り豊かです。

OP (Orange Pekoe)
長い茶葉で、均一な形を持つ。
FOP (Flowery Orange Pekoe)
OPよりも若い芽を含み、香りが良い。
GFOP (Golden Flowery Orange Pekoe)
FOPに金色の新芽が混ざり、さらに高品質。
TGFOP (Tippy Golden Flowery Orange Pekoe)
GFOPよりも多くの金色の芽を含む、非常に高級な茶葉。
FTGFOP (Finest Tippy Golden Flowery Orange Pekoe)
最も高級な等級で、「Far Too Good For Ordinary People」の略と言われることもある。

2. 砕けた茶葉 (Broken Leaf Tea)

茶葉が細かく砕けており、抽出が早い。

BOP (Broken Orange Pekoe)
砕かれたOP茶葉で、濃厚な風味を持つ。
FBOP (Flowery Broken Orange Pekoe)
BOPに若い芽が含まれる。
GBOP (Golden Broken Orange Pekoe)
FBOPに金色の芽が含まれる。

3. 小さな茶葉 (Fannings)

小さな破片で、主にティーバッグに使用されます。

PF (Pekoe Fannings)
高速抽出に適している。

4. 粉末茶 (Dust)

最も細かい等級で、ティーバッグに使用される。

D (Dust)
強い風味を持つ。

国産紅茶のグレードは?

日本の紅茶では、海外の等級基準が厳密に採用されることは少なく、生産者ごとに独自の分類やラベルを使う場合が多いです。ただし、手摘みや手揉みで作られた高品質な茶葉は、一般的に全葉茶として扱われます。

美味しい国産紅茶に出会うために

国産紅茶の本当の香りや味わいを見つけるために、さまざまなタイプを試してみてください。ストレートで食するのもよし、好みのお菓子とあわせるのも楽しい方法です。最近は国産紅茶を取り扱う店も増えているので、ぜひ見つけたら気軽にご自身に合った一杯を探してみてはいかがですか。

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