宇治茶に欠かせない被覆資材 〜被覆棚ができるまで〜

宇治茶の魅力の一つでもあります、お茶の甘み。その甘みを作り出すために「被覆栽培(ひふくさいばい)」は欠かせません。そのために必要な被覆資材である、棚がけ被覆するための棚を茶園に組み立てました。

棚がけ被覆とは

茶畑の中に「棚(たな)」と呼ばれる骨格を建て、遮光するために黒い寒冷遮をカーテンのように取り付けられたものです。寒冷遮を開けたり、閉めたりすることで被覆期間を調整することができます。玉露や碾茶を作る際に必要な棚がけ被覆。伝統的な方法ではよしずとわらを用いる「本ず被覆」があります。
また、この寒冷遮を閉めることで、霜による新芽へのダメージを軽減することができます。霜の被害は深夜から早朝にかけて発生するため、日中は寒冷遮を開け、日が沈む頃に寒冷遮を閉めています。

茶畑に「棚」ができるまで

棚を建てる時期はお茶刈りのシーズンを外した1月、2月ごろに建て、次のシーズンの収穫に間に合わせます。今回は打ち合わせから部品の到着待ちなんかも含めて約2ヶ月ほどかかりました。

まずは柱となる単管パイプの位置を決めていき、柱を建てていきます。
脚立を使って柱と柱のてっぺんをワイヤーで繋いでいます。

横の柱を茶畑を囲むように棚の周囲と中間地点を横断する形で建てていきます。

エスター線という黒く細い線を張ります。

寒冷遮をエスター線に取り付けていきます。「かん」と呼ばれる金具をエスター線に通して固定しているところです。このまま周囲を囲う横幕も取り付けて完成です。

寒冷遮を閉めた状態

日中でもしっかり遮光してくれています。

最新情報をチェックしよう!