生産者ごとに個性の出やすい和紅茶。和紅茶を取り扱うお店も徐々に増えてくることで、お茶のカテゴリのひとつとしてより身近に感じることができるようになってきました。そもそも日本の茶畑で紅茶が作れることもあまり知られていないことでしたが、これを知れば和紅茶がもっと好きになる楽しみ方をご紹介します。
和紅茶を比較するために知っておきたい和紅茶の「種類」
和紅茶は緑茶に比べるとブレンドされたものより、シングルオリジンで味わうことが多いので、産地の違いや製茶シーズンの違い、品種の違いを楽しむことができるお茶です。比較的違いのわかりやすい和紅茶を楽しむためにも確認するべき点をまとめてみました。
- 品種
- シーズン
品種
お茶の木にもお米やイチゴにもあるように品種というものが存在します。その数なんと120種類以上。それぞれ味わいや香り、水色(すいしょく)に違いが出たり、地域の気候によっては栽培難易度が変化したりと特色はさまざまです。和紅茶でもどういった品種で製茶したかによって味わいや香気に大きな違いが出ます。栽培や製茶方法による違いもありますが、品種香(ひんしゅか)という品種が持つ固有な香気は品種の独特の個性となります。
シーズン
和紅茶にも海外の紅茶と同じように製茶シーズンによる特徴の違いがあります。それぞれ地域によって違いはありますが4月から5月後半ごろまでに製茶したものを春摘みのファーストフラッシュ、6月から7月後半に製茶したものを夏摘みのセカンドフラッシュ、8月から9月もしくは10月ごろに製茶したものを秋摘みのオータムナルとしています。このシーズンの違いは茶葉がもつ栄養素の含有量が違うということだけでなく、製茶時に湿度や気温の影響を受けやすい紅茶作りでは大きな違いが生まれます。
飲み比べの時に比較するポイント
- 形状
- 水色
- 香気
- 味わい
- 茶殻
形状を見てみよう
まずは最初のお湯を注ぐ前の茶葉の形状をじっくり眺めてみましょう。しっかり絞られたタイプなのか、形状がしっかり残っているのか、茶葉の色味は浅いか濃いかなどポイントはいくつもあります。まずはフルリーフであるかを確認してください。好みのお茶を比較する際にはとても判断しやすいポイントにもなりますので、ぜひ確認してみてください。
水色(すいしょく)で紅茶の雰囲気を感じ取ろう
みずいろと書いてすいしょくと読みます。お茶の色味などを評価する際に使用します。お湯を注ぐとゆっくり茶葉が解けて染まる水色を確認します。
白色の器だと水色がよりわかりやすいのでおすすめです。透明なグラスで光を透かして観察すると、より水色が美しく見えます。
観察して水色を自分なりに表現してみてください。「鮮やかな赤」、「琥珀色」、「夕焼け空」だとか表現としては人の数だけ出てくると思いますので、感じたままを表してみてください。
香気
違いが出やすく和紅茶の大きな魅力のひとつであります「香気」。こちらは栽培方法から製茶工程まで、いくつもある工程と品種や環境条件が複雑に絡み合うことで作り出されます。お茶の香りには大まかに分けて2種類の香りがあります。
・うわだち香
口に含む前の器から立ち上るようなの紅茶の香りを確認してみてください。これが「うわだち香」です。紅茶から放たれるお湯を注いだ瞬間から感じる香り。
温度帯が高い方がわかりやすいです。
・含み香
口に含んでから鼻から抜けるように広がる余韻の中から感じる香り。うわだち香とは、また違う香りを感じることができると思います。こちらは温度が冷めてもしっかり捉えることができると思います。
2種類の香りにそれぞれ感じた香りを、花やフルーツに喩える表現から、焼き芋や焼き菓子のように感じるほくほくとした香りも見つけることがあるかも知れません。
味
味の確認に関しては、お湯の温度や比較するお茶との順番などによっても印象が変わりやすいため飲み方は色々試すべき項目になります。ただし、お茶は温かい時と冷たい時とで味の印象が変わるものではありますので、両方を確認するのもポイントのひとつです。
茶殻
茶殻に関しましては、香気や形状だけでなく、茶葉にどのような部位が入っているのかなど確認できる情報量が多いため、非常に確認し甲斐のある項目です。
しっかり開いた茶葉から得られる情報の例としては、品種の茶葉ごとによる形状の違いや、発酵の深さなどは見比べると面白いポイントです。ぜひ試してみてくだい。