国内の和紅茶コンテストでも上位に必ずと言っていいほど入賞している国産紅茶を代表する和紅茶の品種「べにふうき」。和紅茶を飲むうえで、避けては通れない品種として一際人気の秘訣はどう言ったものなのか、べにふうきの特徴についてご紹介!
そもそも「べにふうき」とは
和紅茶としての特徴を紹介する前にべにふうきについておさらいしていきます。べにふうきは国産の紅茶を作るために開発された紅茶用品種と呼ばれる、お茶の木の品種のひとつです。アッサム在来の中から選抜されたべにほまれと、枕Cd86というダージリン系との交配より選抜され、1993年に登録された品種です。樹勢も強く、病害虫などにも強いことから栽培しやすい品種ではありますが、寒冷地には不向きで特別寒い地域での栽培には注意が必要です。華やかな香気を含んでいますが、お茶の中でも苦渋味の成分を代表するカテキンの含有量も多く、渋みが強いという個性があります。
注目されている含有成分「メチル化カテキン」が豊富
べにふうきの研究が進む中で、豊富なメチル化カテキンを含んでいることが発見されました。この成分は緑茶として製茶することで花粉症などのアレルギー症状への効果に期待されています。紅茶に加工することで成分量は減少しますので、緑茶として飲むことでメチル化カテキンを摂取することができます。
国産の紅茶品種
お茶の木にある品種の大多数が蒸し製や炒り製の緑茶を製茶するために開発されているものですが、発酵茶を製茶するために開発された数少ない品種のひとつです。国産のコンクールにも多数出品されており、優秀な成績を収めている品種でもあります。ただし国産の紅茶を製茶するうえで紅茶用品種でなければ作ることができない訳ではありません。あくまで発酵茶を製茶するのに適している品種であるということで、緑茶品種で作る紅茶も多数存在します。
べにふうきで作るお茶
紅茶として製茶した場合、べにふうき特有の甘い華やかな香りが特徴的です。カテキンを豊富に含んでいるため、濃厚な香りと、しっかりとした深い味わいの紅茶を表現することも可能です。製茶シーズンの違いも、はっきりと出るので同一茶園のシーズン違いをテイスティングすると特徴を感じることができると思います。
なお、緑茶として製茶しました場合もリナロール系の華やかな香気が漂います。